目次
1. チャット利用に「年齢チェック」必須へ(安全ポリシー大変更)
Roblox は チャット機能の利用に顔による年齢確認(Facial Age Estimation)または ID 認証を必須化する方針を正式発表しました。現在は任意の「事前登録期間」で、12 月上旬に一部地域(オーストラリア / ニュージーランド / オランダなど)から義務化、その後 1 月に世界展開予定です。(Roblox)
- 年齢チェックを完了したユーザーだけがチャットにアクセス可能
- ユーザーは 年齢帯ごとのグループ(Under 9, 9–12, 13–15, 16–17, 18–20, 21+) に分類され、原則として「近い年齢帯同士」でしかチャットできない
- 13 歳以上かつ「Trusted Connections」として相互承認した相手とは、年齢差があってもチャット可能
- 2026 年初頭以降、ソーシャルリンク(外部 SNS など)へのアクセスや、Studio の Team Create などクリエイター向けコラボ機能にも年齢チェック必須になる予定
開発者への影響メモ
- ボイス・テキストチャット前提のゲームデザインは、「年齢帯での分断」や「未年齢確認ユーザーはチャット不可」を前提に見直しが必要
- 体験内でプレイヤーを Discord 等の外部に誘導する動線は、リンク禁止強化によって今後さらに制限される見込み(広告枠経由の商業リンクは別扱い)(Roblox)
- チーム開発(Team Create)も、メンバーが年齢確認していないと使えなくなるため、開発チーム側の運用ルール整備が必須
2. Rewarded Video 広告が全「広告利用可能」クリエイターに開放
DevForum の公式アナウンスにて、報酬付き動画広告(Rewarded Video Ads)が、条件を満たすすべてのクリエイターに解放されたと告知されています。(Developer Forum | Roblox)
主な要点
- 対象は「広告利用資格(ads eligible)」のあるクリエイター
- 必要条件の例
- アカウントに 2 段階認証 (2FA) が有効
- 13 歳以上で ID 認証済み
- 公開エクスペリエンスで月間ユニーク訪問者 2,000 人以上
- Maturity & Compliance Questionnaire 完了済み
- 設定場所:Studio → Game Settings → Monetization → 「Enable Rewarded Video Ads」をオン
- 報酬内容(ゲーム内通貨、ブースト、アイテムなど)はクリエイター側で設計可能
開発者視点メモ
- 既存のゲームパスや UGC アイテム課金と競合しない、「広告を見てもらう代わりにゲーム内リワード」という新しい収益ラインが作れる
- 条件に届いていないエクスペリエンスは、まず MAU 2,000 以上 を目標に改善すると、この機能も射程圏内
3. Self-Serve IP Licensing:公式 IP 利用がセルフサービス化
Roblox Newsroom で、IP ホルダー向けの「Self-Serve IP Licensing」ローンチが告知されました。(Roblox)
ポイント
- 「License Manager」と「Licenses カタログ」により、IP ホルダーが自分でライセンス条件を設定し、Roblox クリエイターに提供できる仕組み
- クリエイター側は、対応 IP について 標準化された契約条件でライセンス申請 → 承認後、公式にその IP を使った体験を公開可能
- IP ホルダー側は
- ライセンス条件・レベニューシェア(通常 10〜25% 範囲)を設定
- IP 無断利用のスキャン
- 売上の自動分配
開発者への意味
- いわゆる「公式コラボ」を、大手スタジオでなくても狙える時代に近づいている
- ただし IP 利用には当然審査があり、コンテンツの品質・コンプライアンスは従来以上に重要
4. サーバー CPU 配布の仕組みが「動的スケーリング」に刷新
DevForum の「Launching even more Server CPU!」で、サーバー CPU の割り当てが MaxPlayers 固定制から「実プレイヤー数ベースの動的スケーリング」に変わることが発表されています。ロールアウトは 11/10〜12 頃にかけて完了予定とされています。(Developer Forum | Roblox)
- ベースライン CPU を引き上げ
- 接続プレイヤー数に応じて自動で CPU 割り当てを増減
- ハードウェア構成ごとに内部的な計算式は異なるが、実効的なコンピュート量は一貫した体験になるよう最適化
- 原則としてほとんどのゲームはパフォーマンス改善が期待されるが、プレイヤー数に応じて意図的に負荷をかけるような設計をしている場合は挙動を再確認すべき、と注意喚起
開発者視点メモ
- 大人数サーバーほど恩恵が大きい可能性
- サーバー負荷に応じたスケーリング処理を書いている場合、「実 CPU 量が従来と違う」ことでバランスが変わる可能性あり
- パフォーマンス計測/チューニングを一度やり直しておくと安心
5. Speech-to-Text API(音声→テキスト変換 API)ベータ公開
DevForum で、AudioSpeechToText API を使った Speech-to-Text(STT)ベータが案内されています。(Developer Forum | Roblox)
- マイクなどの音声入力をテキストに変換
- 代表的なユースケース
- 音声コマンドによるゲーム操作(呪文詠唱で攻撃など)
- 体験内で流しているボイスに字幕をつけるアクセシビリティ機能
- Text Generation / Text-to-Speech API と組み合わせた、フル音声対応の NPC 会話
- Creator Hub に Speech-to-Text 専用のモニタリングダッシュボードが追加
- リクエスト数上限やエラー率などを可視化
- ベータ期間中の利用はベースライン無料だが、
- 1 リクエストあたり最大 10 秒音声
- 「1 + 5 × 同時接続数」ベースのリクエスト制限 などのレートリミットあり
開発者視点メモ
- 対人チャットとは別軸で、「NPC やシステムだけ音声インタラクション」みたいな遊びを入れやすくなる
- 年齢確認の影響でボイスチャット全体が揺れている中でも、「マイクを使ったシングルプレイ体験」のような方向性はまだ攻めやすい
6. PlayerRemoving に exitReason 追加(セッション終了理由の取得)
Players.PlayerRemoving イベントに、新たに exitReason パラメータが追加されました。(Developer Forum | Roblox)
- サーバー側で
PlayerRemoving(player, exitReason)という形で利用可能 PlayerExitReasonEnum(現時点では)Unknown(理由不明/クライアント側は常にこれ)PlatformKick(プラットフォームによるキック)CreatorKick(Kick API など、クリエイターが追放した場合)
- これにより、
- セッション終了理由の集計
- 不正プレイヤーの検知・対応の追跡
- 「任意退出」と「プラットフォーム側の強制退出」の区別 がやりやすくなる
今日は以上です。





